〜井の頭線最後の3000系〜となった3028F/3029F

2011年11月のさよならイベントと運転を最後に引退した、3000系3028Fと3029Fはグリーン車置換えのために増備した3020〜27F入線後に、ダイヤ改正による列車増発による運用増に伴って入線した
3000系最後の増備編成でした。当初3020番台車の増備で変化も少ないと思われましたが、4年半振りの増備で外観に細かな変化が見られた事と、ダイヤ改正による運用の変化等も加えて、この頃の井の頭
線はグリーン車全廃以来の車両の動きのある時期でした。その後、新1000系増備までの間は変化に乏しい井の頭線でしたが、時は流れて3000系の1000系への置き換えが進み、最後の3000系として近年
注目されてきました。引退から少し間が空いてしまいましたが、入線当時からの3028F/3029Fを懐かしんでみたいと思います。

 クリック ダイヤ改正を報じる京王ニュース(1987年12月号)

これまでの井の頭線ダイヤは、昭和46年12月の急行運転開始
以来のもので、16年間振りの改正となった。朝ラッシュ時の運用
が25→27運用に増え、この運用増により3028/29Fが増備さ
れた(検査入場1本と予備1本で29本必要)また、これまで日中
15分間隔だった急行は10分間隔となり、急行大増発が改正の
目玉だったが、終端駅(吉祥寺)での種別変更が多発し、翌年春
に急行板が廃止された。土曜ダイヤが新設されたのもこの時か
らである。
3028F東急車輛にて1

1987年秋の東急車輛構内で製造中の3778号、周囲は東急
8500系増備車が多数製造中でした。

※現在は東急車輛は全面撮影禁止となっておりますのでご注意
  下さい。
3028F東急車輛にて2

後日、試運転線で組成されて待機中の3728号、VVVF改造
された東急7700系が新車然とした姿で並んでいますが、こち
らは未だに現役です。その左側の車両は海外向けだったと思
います。右端にちょっと写り込んだ入換車も元東急デワ3042。
3028F永福町にて

搬入時には短期間しか見られなかった、従来より「天地サイズ」
の小さい渋谷を表示していました。排障器等のデザインも〜30
27Fまでとは差異があります。
スカート装着

1000系入線後も暫くはこの姿で走っていましたが、
その後リニューアル整備を施されて、昨年まで最後の
3000系として活躍しました。
3029F東急車輛にて1

3028Fより少し遅れて姿を現した3029F、工場では
縦書きの方向幕が装着されていました。
3029F東急車輛にて2

1988年2月末、陸送用の台車に履き替えを行なっています。
限定版も販売されたマイクロエース製Nゲージモデルの戸袋
窓が、薄いブルーに着色されていますが、実車でもこの写真
の様に周囲の状況によって、それが分る時がありました。
3029F永福町にて

3月1日朝、永福町に到着したクハ3779とデハ3129
方向幕はまだ縦書きのままですが、この後交換され、営業
運転時には横書きの方向幕になっていました。
オリンピック報道電車

1988年9月から開催されたソウルオリンピックの広告を
車内に掲示したオリンピック報道電車が、京王線/井の頭
線で走りましたが、井の頭線は最新鋭の3029Fが抜擢され
種別板を付ける事の無かった3029Fが唯一付けたマーク
でした。

※現物はれーるランドに展示してあります。
スカート装着

3028Fと同様にリニューアル整備までのかなりの期間
この姿で走りましたが、後にデハ3029には井の頭線初の
シングルアームパンタグラフが試用され、アクセントとなった。